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アンサングシンデレラ 第6話 医療原案メモ
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2019.05.18 Saturday 12:27
さて、大学の同期とお食事会から始まる6話だが、気になるのはお互いの仕事内容だよね。
いきなりお金の話が出てくるが、私はここの推定年収の数字に一切関わってない(ネームで確認はしたんだけど)。額面24~25万くらいでボーナス含めて15か月分くらいの換算だろうか。
編集さんか荒井さんが調べたんだろうけど、400万はもらってもよいかなー。
っていうのは、病院だと当直ありきで、さらに萬津では外来院内処方でめちゃくちゃな枚数こなしてる(2話)から、時間外手当がかなりついていると思われる。
ま、新卒1年目の年収だとありえなくはない数字だし、百万の位が違うと目立つだろ、という思惑でそのままにしておいた。
MRさんってフットワーク軽いよね。
都心はともかく、会社によっては東海担当とか広すぎる。徳之島で会ったMRさんが当然のように奄美にも来てたし。自分には無理だな。
MRさん目線で一話……、あったら面白いけど話が作れるかどうか。
病院だと、薬剤師、って扱いあまりよくないんだよね。
薬剤師手当は月数千円、1回の当直数千円〜1万弱、っていう給与体系もあるけど、みどりが言っているように、寮に入れるのは医師と看護師だけだったり、保育所の利用も医師と看護師だけだったりと、金額以外の待遇にも差が出る。シフトに関しても、看護師はコメディカルより守られている感がある。
病院側は医師と看護師の確保には必死なんだろうな、とあからさまにわかる。
さて、楽しい話は終わって、棚卸業務が始まるよ。
これね、本当に1錠単位で数えるんだよ。調剤の棚卸を初めてやったとき、小売店の棚卸がかわいく思えた。
瀬野が言うように、ざっくりの施設もあるけどね。
棚卸前は数えやすいように、あまり箱を開けないのがポイント。数え終わってから錠剤の棚詰めが始まる。
棚卸の分析までやる刈谷さん素敵。
「もうちょっとこれ絞ろうか」とか、「動いてないから返却しようか」とか、その程度なら出てきそうだけど。
そしてこのシーン、内服の処方箋に点滴のフルマリンが載ってしまっている!
すんでのところで上2行削除してもらった。
このあたりもガイドラインが整備されて、かなり薬が減っている。オペ後数日間、下手したら1週間やっていた抗生物質も、今や当日だけとか翌日までとかでよいと言われている(オペにより色々)。
ただしこれは「いまはこれが確からしい」という話なので、数年後にはどうなっているかわからないのだが。
なんにしろ、安易で惰性な抗生物質の使用は回避したいものだ(というのが今のトレンド)。
この後、みどりが直接電話かけて刈谷さんがかっこいい感じに揉めるんだけど、この規模の病院だったらおそらくパスで動いてるから、突撃してここだけ変えさせても根本的な解決にはならないんだよね。
パスっていうのは……、説明が難しいので引用する。
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従来の医師によってばらつきがあった医療の内容を標準化し、医師、看護師をはじめ、医療にかかわるスタッフ全員が患者さんの治療計画を共有化することにより、チーム医療に役立て、医療の安全や医療の質の向上を目的としたものです。
(兵庫医科大学HP「クリニカルパス」より)
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つまり、どの医師が担当してもどの患者に対しても、親知らずの抜歯入院のボタンを押せば、点滴から退院の内服処方まで同じ薬がバーンとオーダーされる仕組みになっている(もちろん、体重がものすごく多いとかアレルギーがあるとかで微調整することはある)。
ここのパスを変えなきゃ意味がないんだよね。
で、変えるためには、口腔外科の偉い人(もしくはパス担当)と薬剤部の担当がお互い窓口になって、双方の意見をすり合わせてパスを書き換える、っていう作業が必要になる。病院によってはいろんな委員会が絡んでくるかもしれない。
説明だらけになるよね。ページも増えてしまうし。なのでこんな話は編集さんにしなかった気がする(間が開きすぎて覚えてない)。
最後。
この刈谷さんのセリフと流れ、素敵ね。荒井さんすごいな。プロの話のつくり方に、ただただ感動する。
地方病院なんて経営厳しいところもあるし、実際潰れてる。
私たち資格持ちは、次探せばいいや、と軽く考えるところもあるけど、確かに不利益を被るのは患者だ。
刈谷さんの過去篇が気になるところである。
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